ある中高年ランナーの悪あが記

長引くハムストリングス付着部炎に悩まされながらも走ることを諦めきれない高齢者ランナーの奮闘記

ランニングの効用と私の実感その3(冷え性の改善、ストレスの解消)

 先日(1/15)は、ランニングの効用について、巷間よく言われている次の8つ効用のうち、「1.脂肪燃焼・ダイエット」と「2.生活習慣病の予防」への効用と私の体験からの感想等を述べさせていただきました。

ランニングの効用と私の実感その1(脂肪燃焼・ダイエット、生活習慣病の予防) - ある中高年ランナーの悪あが記

 また、1/20には、「3.美肌」と「4.肩こりの改善」についてのお話でした。

ランニングの効用と私の実感その2(美肌、肩こりの改善) - ある中高年ランナーの悪あが記

 

1.脂肪燃焼・ダイエット

2.生活習慣病の予防

3.美肌

4.肩こりの改善

5.冷え性の改善

6.ストレス解消

7.脳の活性化

8.良質な睡眠

 

 そして、今日は「5.冷え性の改善と「6.ストレスの解消」についてのお話をしたいと思います。

 

 5.冷え性の改善

  まず、5の冷え性の改善です。

 冷え性とは、血液の流れが悪いため毛細血管に暖かい血液が流れず、血管が収縮し、そのため手足などが冷えてしまう状態をいいます。

 これについても、ランニングなどの有酸素運動が有効と思われます。

 有酸素運動が血流を良くすることはこれまでも何度もお話して来た通りですし、私が昔読んだランニングの本にはLSD(※長い距離のゆっくりとしたランニング)が毛細血管を増やす働きがある、と書かれていました。

 そこで、現在もそのように言われているのかインターネットで調べてみたところ、必ずしもLSDだけが毛細血管を増やすために有効というわけではなく、その他の有酸素運動やスクワットなどの筋トレでも毛細血管が増えるようです。(ただ、一部にはアスリートのように普段からかなり強い運動をしていると血管にとって非常に良くなく、アスリートでも毛細血管がボロボロの人がいる、との記事もありましたので、ランニングであればやはり負荷の低いLSDの方が毛細血管のためには良いかもしれません。)

 毛細血管の再生について、非常に興味深い記事がありましたのでご覧ください。これもNHKの番組からのものです。NHKはこのように役に立つ科学番組をよく放送していて、さすがです!

www.nhk.or.jp

  この記事の中にもありますが、最近では、加齢などにより毛細血管が衰え、体中の臓器に栄養や酸素がうまく届かなくなる「ゴースト血管」が話題になっています。

 そして、60~70歳代では、若い頃に比べて4割も毛細血管が減ってしまう、という報告もあるようです。 

 私たち中高年ランナーには衝撃的な数字ですが、たぶんこの数字には、60~70歳代になって運動習慣が少なくなってしまったことの結果も反映しているものと思われます。

 運動をすることにより、一旦少なくなった毛細血管が復活するとのことですので、あきらめずに適切な運動で毛細血管の維持・再生を図りましょう!

 

 なお、私自身についてのランニングによる冷え性改善の効果ですが、私はもともとあまり冷え性を感じたことがないので、改善効果を実感することはありませんが、冷え性は血液の流れが悪く、毛細血管にあまり血液が届かないことにより起こるものですので、ランニングで血流が良い状態を保ち、これからも冷え性にならないようにしたいと思っています。

 

6.ストレスの解消

 次に、6のストレスの解消です。

 ストレスとは、ご承知のとおり、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことで、それが続くと様々な身体の不調を引き起こす原因となります

 私たちは何らかの脅威に遭遇したとき、つまりストレスを受けたときには、コルチゾールが分泌され、脳も身体も厳戒態勢に入ります

 その分泌量の増加が瞬間的なものであれば問題ありませんが、慢性的にコルチゾールが分泌され、それが長期間に及ぶと不眠症うつ病などのメンタル不全や、生活習慣病などのストレス関連疾患につながるケースが多くなり、さらには脳の海馬が委縮してしまうと言われています。

 さて、それではこのストレスの解消方法ですが、私が最近読んだアンダース・ハンセン著「一流の頭脳」という本には、次のように書かれています。

「あなたがランニングあるいはサイクリングなどの運動をすると、それを続けている間はコルチゾールが増える。なぜなら、肉体に負荷がかかる運動は一種のストレスだからだ。筋肉を適切に動かすためには、より多くのエネルギーや酸素が必要なので、血流を増やそうとして心臓の鼓動が激しくなる。そして心拍数と血圧が上昇する。この場合のコルチゾールの働きは正常であり、身体を動かすために必要な反応だ。しかし、運動が終われば、身体はもうストレス反応を必要としないので、コルチゾールの分泌量は減り、さらにランニングを始める前のレベルにまで下がっていく。ランニングを習慣づけると、走っているときの分泌量は次第に増えにくくなり、走り終えたときに下がる量は逆に増えていく定期的に運動を続けていると、運動以外のことが原因のストレスを抱えているときでも、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていく。運動によるものでも仕事に関わるものでも、ストレスに対する反応は、身体が運動によって鍛えられるにしたがって徐々に抑えられていくのだ。」

ということで、ランニングなどの有酸素運動コルチゾールの分泌のバランスを整え、心身の不調の解消に有効であることの理由が示されています。

 また、「一流の頭脳」には、抗ストレス作用があるとされるGABAギャバ)が運動、特にランニングやサイクリングによって活性化するとも書かれています。

 

 私の実感ですが、ランニングの継続によってコルチゾールの分泌量が増えにくくなることやGABAが活性化することは知りませんでした。

 しかし、例えば久しぶりに長距離走を行ったときなどは、かなりストレスを感じて途中で止めたくなりますが、これを何回か続けていると距離に対する不安がなくなることもあってか、ストレスなしに走り続けることができるようになります。

 これも、ここにいう定期的な練習によるコルチゾールの分泌量減少の効果なのでしょうか?

 また、ランニングに限らず、ストレスが掛かる場面、例えば大勢の人の前で話すようなことも、最初は緊張するのですが、慣れてしまえば緊張せずに話すことができる、というようなことを考えても、直面する事態を切り抜けることが可能と脳が判断すればストレスは掛からず、コルチゾールも分泌されなくなって、緊張に伴う心拍数の増加などの症状は現れない、ということなのでしょう。

 

 何事にもストレスの多い社会ですが、ランニングを上手に活用して、少しでもストレスを小さくして生きたいものですね。

 

 次回は、ランニングの効用について、「7の脳の活性化」と「8の良質な睡眠」について書かせていただきますので、またご覧ください。