ある中高年ランナーの悪あが記

長引くハムストリングス付着部炎に悩まされながらも走ることを諦めきれない高齢者ランナーの奮闘記

そっとおやすみ(弾き語り)とロキソニン

 毎度ランニングに関係の無い話ですみません。ただ、私の住む秋田もようやく雪が消えつつあり、もうすぐ旅ランも再開出来そうですので、それまでのつなぎだった弾き語り関係の記事も今回でとりあえず終了です

 今日は、昭和の名曲「そっとおやすみ」を弾き語りしてみました。

 「そっとおやすみ」は、実力派のグループサウンズとして知られていたザ・ハプニングス・フォーのメンバーだったクニ河内さんの作詞作曲で、日本有数の本格的男性シンガーである布施明さんが歌っている当時の歌謡曲としてはおしゃれな歌ですので、どうぞお聴きください。

www.youtube.com

 

 さて、今日のタイトルになっているロキソニン」についてです。

 私は、これまでも再三お伝えしているように、昨年の秋以降、右臀部等の痛みに悩まされています

 上の写真の①臀部の中心線からやや右の部分、②右臀部と右大腿の境付近そして③右大腿の裏側の3か所です。

 病院には行っていないので確かなことは分かりませんが、痛みの箇所から私は梨状筋症候群を疑っています。

 そして、痛みは冬になってから一層強くなり、痛みのため長い距離を走ることが出来なくなったため無理をしないこととし、その結果、2月には月間走行距離が20km(!)程度となりました。

 そのように休養で症状の回復を図ったのですが、なかなか軽快しないので休養での回復を諦め、走友からのアドバイスに従ってロキソニン」を3/10から服用し始めました。

 服用に当たっては、事前に私の痛みに対してのロキソニン」の有効性について私なりに調べてみました。

 まずは、その前に私の痛みについての分析です。

 

 最初は、一般的な痛みの種類についてです。

1. 痛みの種類 | 酒井医療株式会社

 上のブログにもあるとおり、痛みには①侵害受容性疼痛、②神経障害性疼痛それに③心因性疼痛の3種類があり、それらがオーバーラップしている場合も多いようです。

 そして、①の侵害受容性疼痛は、プロスタグランジンやブラジキニンなどの発痛物質が末梢神経にある侵害受容器を刺激することで感じる痛みとのことです。

 また、②の神経障害性疼痛は、何らかの原因で痛みの感覚を司る神経回路(中枢、脊髄、末梢神経)が傷つき、その神経が支配する領域に異常が生じることで痛みを感じると考えられているようです。

 また、③の心因性疼痛は、身体の異常によるものではなく、心理的な原因に由来するものとのことです。

 

 次に、私の痛みの原因になっていると思われる梨状筋症候群についてです。

 梨状筋は深層外旋六筋のひとつですが、その梨状筋が硬くなるとその下にある坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛が発現する場合があり、それを梨状筋症候群と言います。

梨状筋症候群|SPORTS MEDICINE LIBRARY|ザムスト(ZAMST)

 そして、私の痛みも坐骨神経痛のように臀部から大腿部の裏側にかけて痺れるような痛みもあるので②の神経障害性疼痛に当たると思われますが、①の侵害受容性疼痛についても、筋肉が硬くなると(筋肉の緊張が高くなると)筋内圧が高くなり、血管が圧迫されて血流が低下し、その結果、発痛物質が産生されることによるもののようですので、①にも関係しそうです。

 

 そしてロキソニンについてです。「ロキソニン」は商品名で一般名では「ロキソプロフェン」と言いますが、その作用機序は次の記事のとおりです。

www.fizz-di.jp

 そして、痛みのメカニズムをまとめると、次のようになります。

 身体の組織に異常が起こると、その場所で「シクロオキシゲナーゼ(COX)」という酵素が増えますが、この「COX」は細胞膜にある「アラキドン酸」を「プロスタグランジン」に変化させ、「プロスタグランジン」は痛覚を敏感にさせる「ブラジキニン」の作用を強めて、身体の異常を痛みとして脳に伝えます。

 上のブログの中でこの部分に関する図をコピーさせていただきました。

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お薬Q&A 「ロキソニン」が痛みを和らげるメカニズムと胃を荒らしやすい理由 より

 この「プロスタグランジン」と「ブラジキニン」は、先ほどの痛みの種類のところでも①の「侵害受容性疼痛」のところでもその疼痛の原因物資として出て来ましたね。

 では、「ロキソニン」にはどのような作用機序があるのでしょうか?

 ロキソニン」は「COX」の作用を邪魔し、「アラキドン酸」から「プロスタグランジン」への変化を抑え、その結果、痛覚を敏感にさせる「ブラジキニン」への作用も少なくなって身体があまり痛みを感じなくなる、ということのようです。

 図にすると次のようになります。上の図に比べて矢印が点線になっていますが、それは作用が少なくなっていることを表しているようです。

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お薬Q&A 「ロキソニン」が痛みを和らげるメカニズムと胃を荒らしやすい理由 より

 以上、ロキソニン」の作用機序についてのお話でしたが、ということは、私の臀部等の痛みが「侵害受容性疼痛」であれば効きそうです。

 また、神経障害性疼痛」単独の痛みであれば、この作用機序から考えて効きそうにありません

 

 では、実際はどうだったでしょうか?

 まず、1錠を服用したところ、30分ほどで右臀部の違和感が明らかに減少しました。そして、服用後1時間ほど経ってから走り始めたのですが、冒頭の写真の①と③の部分にはほとんど痛みが無く、②の臀部と大腿部後面の境目の辺りには痛みはあったのですが、それも半減したため、それまでは痛みのためとても走ることが出来なかった10kmという距離をさほど痛みを気にせずに走ることが出来ました

 

 このようにロキソニン」の服用で痛みが半減したということは、私のこの痛みには「侵害受容性疼痛」が関与していることは間違いなさそうです。少なくとも「神経障害性疼痛」のみによる痛みではないことになります。

 まあ、痛みについては、3つの主な原因のうちのいくつかがオーバーラップしていることが多いようですので、「神経障害性疼痛」も関与しているのかもしれません。それほど強くはないのですが、この痺れるような痛みは「神経」が関係しているように思えるからです。

 いずれにしろ、ロキソニン」の服用は痛みを一時的に抑える対症療法であり、疾患の原因を取り除く原因療法ではありませんので、この痛みの原因となっている梨状筋症候群(?)の治療が必要でしょう。ただ、ほんの少しずつながら徐々に快方に向かっているような気もしますので、とりあえずはストレッチやマッサージを行って様子を見るようにしたいと思っています。