先日、1/29に開催された勝田全国マラソンでの写真販売(※オールスポーツコミュニティによる)が開始されましたので、早速インターネットで自分の写真を見てみました。
写っていたのは、スタート直後とレース終盤のものだけでしたが、ゴール直前の写真は大きく身体が右に傾いていました。
そういえば、終盤は真っすぐに進もうとしても、進行方向が右寄りになってうまく走れませんでした。
もしかして、時々出現する「ぬけぬけ病」がまた出たのかもしれません。
ぬけぬけ病について
「ぬけぬけ病」とは、長距離ランナーに見られる症状で、脚に力が入らなくなったり、外側に重心が逃げてしまったり、脚が棒のようになってコントロールできないなど、人によって様々な症状があるようです。詳しくは次のブログをご覧ください。
chuukounenrunner.hatenablog.com
このブログに記載しているもののほか、2022.6.19の白神ブナの森マラソンでもこの症状が現れてまともに走ることが出来なくなりました。
chuukounenrunner.hatenablog.com
ただ、私にこの症状が現れた時は、ほとんどが身体が左に傾くのですが、今回の勝田全国マラソンの時には右に傾きました。
そしてまた、ぬけぬけ病の症状には、地面に接地した脚に力が入らないため、脚が接地した瞬間に身体が片側にぶれやすくなる、ということはあるようですが、私のように身体が大きく湾曲し、その姿勢が継続される、ということはあるのでしょうか?
これは、2015年の北上マラソンでのゴール直前の姿勢です。身体は大きく左に傾き、そのバランスを取るためか腰を右に移動させています。
そこで、ぬけぬけ病以外にこのような姿勢になってしまう事例はないものか調べてみました。
トレンデレンブルグ兆候とデュシェンヌ兆候
そして片足立ちの際に身体が傾いてしまう現象に「トレンデレンブルグ兆候」と「デュシェンヌ兆候」というものがあることを知りました。そしてこれらの兆候が歩行立脚期に生じると、それぞれ「トレンデレンブルグ歩行」と「デュシェンヌ歩行」と呼ばれるようです。
次のブログの後半に詳しい説明がありますのでよろしければご覧ください。
そして、この記事の中にはトレンデレンブルグ歩行とデュシェンヌ歩行の図がありましたので、引用させていただきます。
この図の説明にもあるとおり、トレンデレンブルグ歩行とは、片脚支持期中に骨盤が遊脚側へ傾く現象で、デュシェンヌ歩行は、片脚立位となった時に立脚側へ体幹が側屈する現象とのことです。
先ほどの私の姿勢をご覧いただくと、片脚立脚となった時に立脚側へ体幹が側屈していますのでどうやらデュシェンヌ歩行(走行?)の疑いがありそうです。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
上掲の記事には、「デュシェンヌ肢位(兆候)は単に外転筋の筋力低下を示す現象だけではなく、股関節合力を軽減するための体幹重心の立脚期側への移動動作で、衝撃を緩和させるための現象としています。」と書かれています。
つまり、デュシェンヌ歩行とは、股関節外転筋群(※主に中殿筋)の機能低下により立脚時に骨盤の水平位保持が困難となり、その代償運動として立脚側へ体幹を傾けて股関節に近い位置に体重を乗せ股関節に掛かる圧力を軽減させて歩いている状態、と言えそうです。
上掲の記事には、その状態を図示したものもありましたので、これも引用させていただきます。
なるほど。これだと分かりやすいですね。
外転筋は立脚期には骨盤を大腿骨大転子方向へ引っ張る力(図のF)を発揮すると思いますので、この筋力と体重が掛かる部位との力(図のW)のモーメントのつり合いが重要であり、上の図の左側の「正常」の場合にはこれがつり合っています。そして、このような状態で外転筋の筋力が低下してつり合いが保てなくなった時には骨盤が遊脚側に傾く「トレンデレンブルグ兆候」が出現することがあるようです。
一方、「デュシェンヌ兆候」の場合には、先ほどもお話したとおり立脚側へ体幹を傾けて股関節に近い位置に体重を乗せていますので、体重の掛かる位置が、支点(図の黄色の〇の位置)である大腿骨骨頭に近いので(図のaの距離)、必要な外転筋筋力が少なくて済みます。
逆に言うと、外転筋の筋力が低下した場合にはこのように「トレンデレンブルグ兆候」や「デュシェンヌ兆候」のような姿勢を取らざるを得ないということでしょう。
もう一つ。
仮に私がデュシェンヌ兆候により左脚立脚時に身体が左に傾いたとします。ただ、この後は右脚で立脚するのですが、その時にも依然身体は左に傾いたままです。
これはどういうことなのでしょうか?
いろいろ調べてみたら「トレンデレンブルグ歩行」と「デュシェンヌ歩行」は同時に起こることがあるようです。
ということは、上記の場合、左脚立脚時に身体が左に傾いている時はデュシェンヌ兆候、右脚立脚時に身体が左に傾いている時はトレンデレンブルグ兆候が現れている、ということで結果的に同じような姿勢が続いているということしょうか?
私がレース終盤で身体が傾くようになった時は、意識して傾けているわけではないのですが、無意識でのそのような反応でなんとかレースを続けようとしていたのかもしれません。そう考えると、そのような無様な格好も愛おしく思えてきます(笑)。
とは言っても、ほとんどのランナーは私のように大きく身体が傾くこともなくレースを走り終えているのですから、出来れば私もそうしたいと思います。見栄えだけでなく、タイムにも影響して来ますので。
対策としては、このような姿勢になる根本原因であるの中殿筋などの股関節外転筋の筋力低下の防止です。
当然ながら長い距離を走っていると筋力の低下は起こりうるでしょうが、ある程度低下しても終盤でも姿勢を崩すことなく走り切れるよう、今よりも股関節外転筋の筋力をアップさせたいと思います。
ここまで、私のレース終盤の身体の傾きの原因はデュシェンヌ兆候(およびトレンデレンブルグ兆候)にあると仮定して話を進めてきました。
ぬけぬけ病との関係?
では、当初私が疑っていた「ぬけぬけ病」は関係がないのでしょうか?
「ぬけぬけ病」とは、冒頭私が申し上げたとおり、長距離ランナーに見られる症状で、脚に力が入らなくなったり、外側に重心が逃げてしまったり、脚が棒のようになってコントロールできないなど、人によって様々な症状があるようです。
その原因についてはまだはっきりしていませんが、ぬけぬけ病の改善を専門とする理学療法士・西山祐二朗氏がインターネット上にアップしている動画の「ぬけぬけ病チャンネル」の中では、ぬけぬけ病のランナーは股関節がうまく使えず、走っている時の実際の身体と脳内イメージにギャップが生じていると言っています。
脳内イメージとのギャップと言えば私が身体が大きく傾いた時にイメージ通りに真っすぐに進めなくなることと共通しているような気がします。
そして西山氏は、このことの改善方法として、大殿筋・中殿筋、股関節のインナーマッスルそして腹筋群を鍛えることが重要で、そのことだけでぬけぬけ病が改善する人もいる、とのことです。
また、西山氏はこの他にぬけぬけ病の症状を改善するための筋トレとして、次の「腸腰筋」、「臀筋」、「ハムストリングス」についての筋トレの方法を動画でアップしています。
私は3~2年ほど前はこの3種類の筋トレを日常的に行っていましたが、その後、あまりレース中に身体が傾くことがなくなり、最近ではまったく行っていませんでした。
この身体の傾きが「ぬけぬけ病」に関係があるのかどうかは分かりませんが、「デュシェンヌ兆候」の改善に必要と思われる中殿筋の筋トレと併せてこれらの筋トレも再開したいと思っています。
多くの皆さんにとっては、全く関係の無いような話を長々としてすみませんでした。