ある中高年ランナーの悪あが記

長引くハムストリングス付着部炎に悩まされながらも走ることを諦めきれない高齢者ランナーの奮闘記

フルマラソン1歳刻みランキング2021が発表されました

 月刊誌「ランナーズ」では、2005年から毎年、前年度の公認コース等の大会での各選手のフルマラソンのタイムを年齢ごとにランキングして100位までを誌上に発表していますが、今年も先日発行のランナーズの7月号でその発表がありました。

 このランキングの対象となった大会の完走者数(※同一人が複数回完走した場合は1人としてカウント)は、2004年度においては78,776人だったのですが、その後、東京マラソンなどの都市型大規模大会の相次ぐ開催やマラソンブームの到来により2018年度には375,907人までに増加しました。

 ただ、2019年度には、新型コロナ感染症の発生により2020年2月以降、ほとんどの大会が中止になったことの影響もあり、313,046人に減少しています。

 そして2020年度には、新型コロナ感染症の拡大により一部の小規模大会を除いてほとんどの大会が中止となったため完走者は11,098人と激減していたところですが、このたび発表になった2021年度の完走者数いくつかの大規模大会が開催されたこともあって69,864人と若干持ち直しました。

 とは言ってもこの数字は過去最高の2018年度の2割にも満たない数字です。

 幸い、今年度(2022年度)になってからは3年ぶりに開催した又は開催を予定しているといった大会が増えて来ているようですので、2022年度はまた以前のような状態に戻ることが期待されます。

 

 さて、私のランキングです。

 ということで、100位以内へのランキングは12勝6敗となりました。

 

 ところで、私は以前、この1歳刻みランキングを用いて加齢がタイムに及ぼす影響を調べたことがあります。

 加齢に伴う筋力や心肺機能の低下により、年齢を重ねるたびにマラソンのタイムが落ちるのは一般的には必然であり、実際のデータを用いてその確認を行っている研究もいくつかあるようですが、私の知る限りではそれらはすべてある同一時点での各年齢群での平均タイム等の比較であり、個々のランナーのタイムの経年変化についての研究は見当たりませんでした。

 そこで私は、個々のランナーのタイムの経年変化を見るためにフルマラソン1歳刻みランキングの第1回(2004年度タイム)の上位100位以内のランナーの2019年度の状況を調べ15年後のタイムの変化をまとめたものが次の記事です。

 なお、すべての年齢についてこれを行うことは大変な労力を要するので2004年度に52歳の男子ランナーだけを対象としています。

chuukounenrunner.hatenablog.com

 

 そして、このたび2021年度の結果が発表されたので、この時(2019年度データ)と同様に2004年度の52歳男子の上位100位以内のランナーについて調査してみました

 2019年度では、年度内にフルマラソンを完走したランナーは100人中40人しかいませんでしたが、2021年度には大会の開催数がわずかであったことから完走者は大幅に減少していることが予想されます。

 そして、その調査結果は以下の通りでした。

 この表について説明しますと、一番左の行が2004年度のランキングの順位で2番目の行がそのランナーの2004年度のタイムです。

 3番目から7番目までの行は、それぞれ2017年度から2021年度までのそのランナーのタイムで一番右の行は2021年度のタイムが2004年度よりどれだけ増加したか(遅くなったか)を示したものです。なお、2017年度以降一度も完走していない(データが無い)ランナーについては表から除外しています。

 そして今回の調査の目的である2004年度の100位以内のランナーについての2021年度の動向ですが、やはり開催された大会が少なかったことを反映して完走者はわずかに8人でした。(幸い私はその中の一人であり、表の中では赤字で示しています。)

 その8人についての2004年度と比較したタイムの増加率の分布は、次の表の右の行のようになっています。

 このように2021年度の対象者8人のタイムの平均増加率(2004年度比較)は34.3%であり、2018年度の調査時の対象者42人の平均より11.1%も悪化していますが、これは3年という時間の経過による(加齢による)悪化がその大きな理由と思われます。

 それに加え、このランキングは年度内に複数回大会に参加した場合にはその中のベストタイムが採用されるのですが、2021年度は開催された大会が少なかったため例年数多くの大会に出場しているランナーであってもほとんどが1ないし2つの大会しか出場出来なかったものと思われますので、その影響もあるでしょう。

 私は、幸運にもエントリーしていた2つの大会が無事に開催され、その中で富士山マラソンのタイムが採用されました。好天に恵まれ、おまけに100回目のサブ4を達成できた思い出の大会です。

chuukounenrunner.hatenablog.com

 来年の1歳刻みランキングの発表時においては、今年度の早い時期に新型コロナが一定程度収束し、ランキングについても以前のように100位以内に入るのが困難になるくらいの大勢の人数で競い合いたいものです。

 

 なお、今回は2004年度に52歳だったランナーのタイムの推移だけを掲載していますが、2017年度と2018年度には2004年度に40歳、45歳、50歳~65歳だったランナーについての調査を行っており、次のブログの後段にその分析を行っています。

chuukounenrunner.hatenablog.com

 ただ、その文章は非常に長文なので、お時間の無い方は次に要点だけをまとめた表とグラフをご覧ください。

 まずは、2004年度に40歳、45歳、50歳~65歳のランキングの上位100人のうち14年後の2018年度にフルマラソンを完走している男子ランナーのタイムが2004年度と比較してどうかをまとめた表です。

 そして、それらについてのグラフです。

 これらをご覧いただいてお分かりのように、14年後の2018年には54歳では半数以上がまだフルマラソンを走っていますが、75歳以上になると僅か2割前後の方しか走っておらず、高齢になるにつれてフルマラソンから離れているようです。

 また、2004年度と比較した2018年度のタイムも54歳では20%ほどの増加にとどまっているものの、75歳からはいずれも30%台半ば~40%台半ばまで増加しており、同じ年月の経過でも高齢になるほどタイムの落ち込みが大きくなる傾向が見て取れます。

 これらの結果はおそらくランナーの皆さんの肌感覚と一致しているものと思われますが、既に中高年ランナーとなっている方やこれから仲間入りする方には、これらの数字を参考にしていただけたら幸せです。