ある中高年ランナーの悪あが記

長引くハムストリングス付着部炎に悩まされながらも走ることを諦めきれない高齢者ランナーの奮闘記

これってぬけぬけ病かな?

「ぬけぬけ病」とは?

 ぬけぬけ病とは、正式の医学用語ではなく、ランニング関係者からは、ローリング病やかっくん病などとも呼ばれ、原因不明の足の脱力感のせいで普通に走るのも困難になってしまうもので、あまり聞きなれない言葉だと思います。私も最近まで、このような病気(?)があることを知りませんでした。

レース中の身体の傾き

 では、なぜ今日、このぬけぬけ病の話をさせていただくかと言うと、実は、私はマラソンのレース中に身体が左(※右の時もある。)に大きく傾いて、走行が非常に困難になることがあるのです。次の写真をご覧ください。

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 これは、2007年の田沢湖ラソンの22km地点付近ですが、身体が少し左に傾いていますね。このあと、終盤にはもっと身体が大きく傾いていたはずです。

 実は、異常なほどに身体が傾くこともたびたびあり、それは、(株)フォトクリエイトの運営するオールスポーツコミュニティの掲載写真で確認できるのですが、あまりみっともない写真は購入していませんので、そのような大きく身体が傾いた写真は手元にありません。

 そしてレース中の身体の傾きは、最近では、2019年12月の袋井クラウンメロンマラソンの際にも出現しました。前半にアップダウンが続いたのにもかかわらずハーフ地点まではキロ5分程度で走り、快調と思われました。しかし、25km過ぎあたりから徐々に身体のバランスが崩れ始め、30km過ぎからは明らかに身体が左に傾くようになり、なんとか転ばないようにバランスを取って走ったのですが、蛇行しながらの走りで、結局予定タイムより8分遅い3時間47分57秒のゴールとなりました。

 このように身体が大きく傾く時の特徴は、およそ次のとおりです。

  • 傾きの出現は、フルマラソンのレース後半から終盤に掛けての場合が多い。
  • 必ず傾きが出現するとは限らず、調子の良い時は出現しない場合があり、また、逆に途中で歩くような不調時にもあまり出現しない。
  • 50歳代の時も出現していたが、60歳代になって頻繁に出現するようになった。
  • 身体は左に傾くことが多いが、右に傾いた時もあった。

 以上が主な特徴ですが、自分なりにその原因を探り、対策を講じようと試みたのでここで紹介したいと思います。

 私は、2019年の暮れに偶然にも、ぬけぬけ病の改善を専門とする理学療法士・西山祐二朗氏がインターネット上にアップしている動画の「ぬけぬけ病チャンネル」を目にすることになり、この身体の傾きは、ぬけぬけ病によるものではないか、と思うようになりました。

 他に考えられる原因としては、三半規管の異常が考えられますが、三半規管の異常による身体のふらつきだとすれば、レースの前半には身体に異常が無く、レースの後半にだけ傾きが出現することの説明がつきません。

 また、その他には、トップギアインターナショナル合同会社代表ヘッドコーチの白方健一氏のブログでは、体側部の筋肉の拘縮が原因とされています。

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 ただ、私には、特に体側の片側だけが拘縮する原因は 見当たらず、やはりレース時の身体の傾きの原因の「有力候補」は、ぬけぬけ病と思われます。

 ぬけぬけ病とは、冒頭で記載のとおり、原因不明の足の脱力感のせいで普通に走るのも困難になってしまうものですが、西山氏によると、ぬけぬけ病は周期性ジストニアの一種であり、ジストニアという病気は、筋肉の緊張の異常によって様々な不随意運動や肢位、姿勢の異常が生じる状態をいうとのことです。

 そして、ぬけぬけ病は長距離選手特有の症状であって、選手本人の感覚で一番多いのが「足に力が入らない」、「踏ん張れない」という感覚だそうです。

傾き改善のトレーニン

 私も、身体が傾く症状が出た時には同様の感覚があることから、西山氏によるぬけぬけ病改善ブログラムのうち特に推奨されている腸腰筋、臀部それにハムストリングスの3つの部位の筋トレを2019年末から実施しました。

 それまでもジムや自宅で筋トレは行っていましたが、腸腰筋の筋トレは行っていなかったため、セラバンドなるゴムの帯を購入して毎日トレーニングしました。また、臀部とハムストリングスについては、これまでもトレーニングしていましたが、このうちハムストリングスは、主動筋である大腿四頭筋に比べて筋力が弱いことが気になっていたので、これを機会にトレーニング量を増やしました。

 こうして約1か月のトレーニングの後に出場した2020年1月の勝田全国マラソンにおいては、身体の傾きが無く体幹が安定し、特に60歳代に入ってから顕著にタイムが落ちていた30km以降についても、その落ち込みを最小限にとどめることが出来ました。

 下の表は、2020年の勝田全国マラソンとまだこのトレーニングをしていなかった2019年の同大会のスプリットタイム(※ネットタイム)の比較です。この表を見て分かるとおり、30kmまでは、ほぼ同じようなペースで来ていますが、身体の傾きが出現しやすい30km以降については、実際に傾きが出現した2019年に比べ、傾きが出現しなかった2020年の方がタイムが良くなっています。

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 また、ランニングフォームについても、ここでは紹介できないのですが、2019年は身体が左に傾いていますが、2020年にはそれが無く安定した走りになっています。

 ただ、2020年の勝田では身体の傾きが出現しなかったのは、「たまたま」かも知れません。その後は新型コロナ感染症のためほとんど大会が開催されていないため、本当にトレーニングの効果でぬけぬけ病が改善されているのか、確かめようがないのです。

 早く確認するためにも、今月下旬に開催の可否を決定する10月の長井マラソンの開催を切に願うところです。