ある中高年ランナーの悪あが記

長引くハムストリングス付着部炎に悩まされながらも走ることを諦めきれない高齢者ランナーの奮闘記

新型コロナと「エラーカタストロフの限界」の関係が証明されつつあるようです!

 私が現時点で唯一エントリーしている2021富士山マラソンが以下の通り正式に開催決定しました。

f:id:chuukounenrunner:20211102083442p:plain

f:id:chuukounenrunner:20211102083712p:plain

 つまり富士山マラソンも他の大会同様に新型コロナの感染症数などの状況を勘案しながら開催の可否を見極めていたところ、感染者数の減少により緊急事態宣言も解除されたことから開催を決定した、ということのようです。
 このようなことについては、10/17に私が出場した第38回大町アルプスマラソンでも同様であり、この感染者数の激減の主な要因は「エラーカタストロフの限界」にあるのではないか?という記事を以前掲載させていただきました。

chuukounenrunner.hatenablog.com

 この記事は東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦氏(東京大学名誉教授)の説を中心にして私なりにまとめさせていただいたものですが、新型コロナ感染症第5波の急速な収束については9月末頃には一部の新聞等でもエラーカタストロフの限界が影響しているのではないかとの報道がありました。

 しかし、その後もTVのワイドショーなどでは、いわゆる「専門家」がこの説について、「国立感染研究所のゲノム解析ではエラーカタストロフの限界で言うところのウィルスの自壊は確認できていない。」という意味の否定的な発言をしており、それを聞いた私は、それが本当ならば感染研ではどのようなゲノム解析を行っているのか不思議に思っていたところでした。

 ところが、10/31の秋田さきがけ新聞に次のように「コロナウィルス第5波収束 酵素の変化、影響か 変異修復できず死滅?」という記事が掲載されました

f:id:chuukounenrunner:20211031101249p:plain

2021年10月31日 秋田さきがけ

 これは国立遺伝学研究所新潟大学のチームがまとめた研究結果であり、この記事によると第5波のピーク前の8月下旬にはnsp14という酵素が変化したタイプのウィルスに置き換わっていたとあります。

 そして、nsp14は、ウィルスが増殖する際のゲノムの複製において時々発生するコピーミスを修復する酵素であり、もしコピーミスを修復できなければウィルスは変異が積み重なり、やがて増殖できなくなるということが書かれています。

 つまり、nsp14が変化したウィルスに置き換わることによって第5波が収束したということを示唆しており、この内容はまさに「エラーカタストロフの限界」そのものです。

 前掲の10/2の私のブログの中にはこのnsp14については、直接的には本文では触れていませんが、児玉龍彦氏がまとめた新型コロナウィルス変異への対応についての資料を添付しており、その中にはnsp14についての記載もありますので、少しご紹介します。

一本鎖のRNAウィルスは複製してコピーを作るときにエラーが多いが、コロナウィルスは、nsp14というタンパク質があり、これが複製のチェックをするエキソヌクレアーゼ活性を持つ。そのため複製ミスはチェックされ変異は少なくなるコロナウィルスは遺伝子のサイズが約3万塩基とインフルエンザやHIVより3倍大きいので、nsp14が欠損すると変異率は15倍に上がり、そのウィルスは増殖が困難になり自壊する考えられてきた。ノーベル賞受賞者のEigenが1971年に予言した進化生物学の基本の「エラー・カタストロフ(ミスによる破局)」の限界として知られる。

 ということで、このたびの国立遺伝学研究所等の発表は児玉氏の主張の正しさを証明したものと言えるでしょう。

 

 そして第5波がほぼ収束した現在、なすべきことは第6波の襲来を阻止することです。

 ここで注意しなくてはならないのが、これまでは波が下がっても完全には落ち切っていないことですこれは、変異により感染力が強力になり一気に感染が広がったウィルスではなく変異の元になった「幹」といえるウィルスが生き続けているためのようです。
 この「幹」のウィルスは、変異のスピードは速くはないので、波を起こしているウィルスのように簡単には自壊しないものと思われ、この「幹」のウィルスから次に波を起こすウィルスが派生する可能性があると言われています

 よって、この「幹」のウィルスを封じ込めることが大切であり、感染者数が減少しても油断することなく一定の感染対策は必要でしょうし、また、国立感染症研究所国立遺伝学研究所では今後の感染対策の方針をより有効なものにするため、感染者のゲノム解析を一層強化して「幹」のウィルスの存在を確認し、公表してもらえればありがたいと思います。

 もし、「幹」のウィルスによる感染者が皆無となっていれば、海外からの新たなウィルスの持ち込みが無い限り(あと、児玉氏は体内で急速に変異が進む免疫不全の方からの新たな変異株の出現にも警戒しています。)、第6波の可能性は低くなるでしょうし、そうなれば国や自治体が行う感染対策も違ってくると思います。

 いずれにしろ、今回のこの国立遺伝学研究所等の発表とそれに至っていない国立感染症研究所の対応を見るにつけ、政府の新型コロナ感染症対策の各種会議に遺伝子工学の専門家が一人も入っておらず、感染症の専門家が多くを占めていることに私は不満を感じます。

 新型コロナはこれまで経験したことが無い感染症ですので、これまでの疫学の知見のみで十分な対応が出来るとは私には思えません。このような新たな疫病でしかも次々と変異が発生するものの対策については、遺伝子工学等からのアプローチが不可欠でしょう。

 政府には、新型コロナ感染症対策の各種会議に遺伝子工学の専門家を入れ、もっと幅広い視野で議論を深めて行ってもらいたいと願っています。

 すみません。ド素人の感想でした。