10/17(日)に開催予定の大町アルプスマラソンは、新型コロナ感染症の影響を見極めて、開催の可否を10/1に決定するということにしていましたが、それに先駆けて9/15に開催決定の発表がありました!
そして、一応、10/1に会議で開催について確認をする予定となっていますが、ナンバーカードは既に数日前に郵送されており、まず、間違いなく開催されるでしょう。
2021.10.4追記:本日、大町アルプスマラソンのHPに次のとおり発表がありました。
10月17日の第38回大町アルプスマラソンは開催します
ただし、当地域の感染警戒レベルが4以上となった場合は、大会を中止します
ということで、無事、最終的に開催の決定がなされました!
開催決定の決め手は、長野県の新型コロナ感染者数が大幅に減少したことのようです。全国においても新規感染者数は、8月20日頃には1日25,000人を超える日もあったのですが、現在では1日1,000人台と激減しています。
このことは非常に喜ばしいのですが、私はこのような急激な現象が起きることが不思議でなりませんでした。TVのワイドショーなどに出演する専門家の解説では、ワクチン接種が進んだことや緊急事態宣言により人の流れが抑制されたためとしていますが、確かにそれも理由のひとつにはなっているのでしょうが、それだけではこのような急激な新規感染者数の減少は説明できないと思います。そもそも私には新規感染者が従来株からアルファ株、そしてデルタ株に置き換わる理由も分かりませんでした。たまたま新しい株の方が更に感染力が強かったということもあるでしょうが、それまで流行していた株も感染力が強くて大きな感染を引き起こしたのですから、その後も生き残るのが普通でしょう。
そこで私は全く科学的な根拠はないのですが、この新型コロナのウィルスも人間の細胞の分裂回数に限度があるように感染を繰り返す回数に限度があるのではないかと密かに思うようになりました。
人間の細胞は分裂を繰り返すたびにテロメアという細胞内の染色体の末端にある部分が短くなり、やがて50~60回で分裂しなくなって寿命を迎えると言われています。
ただ、人間の細胞の場合は同じ個体の中の出来事ですが、ウィルスの場合は、感染により別の個体(?)になるのですから、同じような仕組みなどあろうはずもなく、ずっとモヤモヤを抱えたままでした。
ところが、4~5日前、私は偶然にこのモヤモヤを解消できるかもしれない記事を見つけました。
この記事では、新型コロナの新規感染者数が急激に減少した理由を「急速に感染が拡大したデルタ株が『エラーカタストロフの限界』を超えたためウイルスの自壊が始まり、急激に感染が減少したのではないか」としています。
「エラーカタストロフの限界」という言葉は私は初めて聞きました。
そこでいろいろ調べてみたところ、この「エラーカタストロフの限界」とは、ざっくりと言うと、「ウィルスが増殖するにはその遺伝子をコピーすることが必要となるが、その際には一定程度コピーミスが起こり変異する。そして、そのコピーミスが積み重なると、ある時、ウィルスの生存に必要な遺伝子までも壊してしまって、そのウィルスは自壊する。」という理論のようです。
この「エラーカタストロフの限界」と新型コロナウィルスの関係については以前から東京大学先端科学技術センターがん・代謝プロジェクトリーダーの児玉龍彦氏が分析し、一部のメディアなどでも発信していたようですが、最近のものとしては、デモクラシータイムスが製作した次の動画の前半部分で分かりやすく説明されています。
児玉氏のこの動画の内容やその他のお話を私なりに解釈してまとめてみると、
①ウィルスは増殖するためにはその遺伝子を複製してコピーする必要があるが、新型コロナウィルスなどの一本鎖のRNAウィルスはコピーを作るときにエラーが起こり変異しやすい。
②ただ、新型コロナウィルスは、インフルエンザウイルスやエイズウイルスよりは変異のスピードが遅い。
③ところが、新型コロナウィルスでも変異により増殖スピードが非常に速いものが出現し、一気に感染が広がった。
④このようなウィルスは増殖スピードが速いため、それだけ変異も早く進み、いずれは、そのウィルスの増殖に関する遺伝子が破壊されて増殖できなくなる。変異はランダムに起こるが、変異の速いウィルスはいずれも短期間で増殖できなくなり、新規感染者数が激減して、これが感染者数の「波」になる。
⑤ここで注意しなくてはならないのが、波が下がっても完全には落ち切らないことである。これは、変異により感染力が強力になり一気に感染が広がったウィルスではなく、変異の元になった「幹」といえるウィルスが生き続けているためであり、波の下がった時のベースラインは高くなり続けているのが現状である。
⑥この「幹」のウィルスは、変異のスピードは速くはないので、波を起こしているウィルスのように簡単には自滅しないであろうし、この「幹」のウィルスから次に波を起こすウィルスが派生する可能性がある。
⑦よって、この「幹」のウィルスを封じ込めることが大切であり、感染者数が減少しても油断することなく、可能な限りワクチン接種を行うとともに、感染対策も継続することが必要である。
ちなみに、エラーカタストロフの限界があるとしても感染対策をほぼやめてしまったことによる影響が顕著に現れているのがイギリスです。
イギリスは、ワクチン接種の普及を理由に今年の7月19日に新型コロナウィルス対策の行動規制をほぼ全面撤廃しましたが、その結果、感染者数は再び増加し、現在も高止まり状態が続いています。
つまり、変異のスピードが速いウィルス株はいずれ終息に向かいますが、必要な感染対策を行わなければ感染者数はまた増加することが示されていることから、ワクチン接種の更なる推進とともに現状ではまだ感染対策を怠らないことが重要と思われます。
この「エラーカタストロフの限界」については、今のところ仮説扱いされているような感じを受けますが、現在の新型コロナについての事象も整合性を持って説明することが出来ることから、この説はほぼ間違いがないでしょう。すべての感染者のゲノム解析を行えばこの説の正しさを証明できるのでしょうが、それは物理的に無理かもしれませんね。
最後に、児玉氏のまとめた新型コロナウィルス変異への対応についての資料を載せておきます。少し専門的ですが、興味のある方はご覧ください。
https://www.ric.u-tokyo.ac.jp/topics/2020/ig-20210824.pdf