秋田県では7/14の夜からの雨が記録的な大雨となり、私の住む秋田市でも翌15日には我が家の近くを流れる太平川が氾濫し、多くの家屋の浸水被害が発生するなどかつてないほどの大変な状況となりました。
我が家では15日の朝には家の前の道路に水が溢れ、カーポートの中にも水が入って来ました。
これはまずい!水かさは増える一方ですので、このまま増え続けると車が浸水してしまいます。
慌てて車を高台になっている近くの一つ森公園に移動させました。一つ森公園から自宅へ徒歩で戻る途中の道路では水かさが増えて膝程まであり、履いていた長靴が役に立ちません。
そして、お昼頃だったでしょうか?警戒レベル5(※最高)の緊急安全確保が発令されました。その頃の外の状況です。
本来であれば避難すべきところなのでしょうが、私の家は幸い土砂災害等の危険は無い場所なのでいざとなったら2階に避難するつもりで大事な物を2階に運び、たぶん効果は無いだろうと思ったのですが、一応、玄関のドアをガムテープで目張りして浸水に備えました。もちろん、外に置いてあるもので水に流されそうなものは、出来るだけ高い場所に移しました。
特に車の乗り入れのための段差プレートは、これまでの大雨の時にも流されたことがあるので、庭木に繋ぎ、流失防止を図りました。
こうして準備万端で浸水に備えていたのですが、夕方になって予期せぬ事態が発生しました。突然、停電したのです。
ただ、近所のほとんどの家は電気が点いています。
そこで、ブレーカーを見たら、ブレーカーが落ちており、入れ直しても入りません。
困った時にはいつもネットで調べるのですが、停電しているのでパソコンは使えません。スマホで調べてもいいのですが、あいにくスマホのバッテリーが少なく、あまり無駄づかいしたくありませんので、翌朝まで暗い中で我慢することにしました。
更に困ったことには、下水の流れが悪くなり、逆流するようになりました。風呂に入れないのはもちろん、トイレにも行けません。
夜になると、さらに水かさが増え、ついに玄関の中まで入って来ました。やはり、ガムテープの目張りでは役に立たなかったようです。
一応、2階の部屋で寝ようとするのですが、とても眠れません。
深夜になると、水位は玄関の上がり框(かまち)の上まであと数センチとなりました。床上浸水を覚悟し、朝起きてからやるべきことを考えながら、まんじりともせず時を過ごしていると午前3時頃玄関の様子を見に行った時には、少し水位が下がっていました。
結局、その後も水位は下がり続け、停電についても東京に住む娘から浸水のためどこかショートしてブレーカーが落ちたのではないかと言われたので、明るくなってから分電盤に行き、浸水の影響を受けたと思われるエアコンとエコキュートの回路用ブレーカーをオフにして漏電ブレーカーを上げると、めでたく通電しました。
その後、下水の詰まりも解消され、ようやく日常が戻って来ましたが、家の周りは泥だらけです。二つある物置の下の段にある物も泥だらけになってしまいました。
それから2~3日は家の周りの清掃と浸水で使えなくなった物の処分で忙しかったのですが、一番大変なのはその後に行った床下の掃除でした。
まずは床下の状況の確認ですが、どこから床下に入って行くのか分かりません。
洗面所にある点検口(?)は、すぐに分かりました。
あと、キッチンには床下収納がありますが、これが怪しそうです。
やはり、収納ボックスを外すと床下に潜れるようになっていました。
床下を覗いて見ると、ところどころに泥水が溜まっていますが、それほど多くありません。これなら潜って作業が出来そうです。
床下の地面には透明なビニールシートが敷かれ、その窪みに水が溜まっていますが、どうやらほとんどの水はシートの隙間から地面に浸透したようです。
ただ、やはり一時は床下もかなり水位が上がったようで、床板の裏側に貼りつけている断熱材も一部は濡れているところがありました。
さて、床下掃除の開始です。
まずは、汚れたビニールシートの泥と水のふき取りをしなくてはなりません。
水たまりの部分は、タオルで水を吸い取り、それを絞ってまた吸い取るという作業の繰り返しですが、床下ですので高さが50cmもないので大変でした。
水たまりではなくただ濡れている部分はキッチンペーパーで拭き取りました。
四苦八苦しながら拭き取りを終えると今度は乾燥です。乾燥には扇風機を使いました。ネットで調べたところ乾燥するまでには通常で1か月、扇風機を使うと1週間ほどかかるようです。もちろん気象条件によって違うでしょうが・・・。
幸運にも秋田県は例年よりも早く梅雨明けして晴れの日が続いていますので、順調に乾燥するでしょう。
そしてネットなどを見ると、乾燥してからは消毒が必要と書かれていることが多いようです。ただ、その中には消毒業者が営業上の戦略として書き込んでいるものもあると思われ、厚生労働省では床下浸水した時の消毒は「原則として不要」としています。
もちろん「原則として」ですので、必要な場合もあるでしょうが、それについては次の記事が参考となりました。
ということで、今のところ消毒は行わないつもりですが、それでも気になるのでところどころにアルコールの除菌スプレーを吹きかけました。まあ、気休めに過ぎないでしょうが、本格的な消毒となると消石灰や逆性石鹸で行わなくてはならず、それを床下で素人がやるのは大変そうです。
なお、二日ほど前に家の施工業者さんが様子を見に来てくれました。必要に応じて消毒の斡旋をしているとのことでしたが、家の様子を見て、「このままで大丈夫そうだ」とのことでした。
一応、このまま様子を見て、もしも悪臭が発生するなどしたら連絡して見積もりをもらうこととしています。
ということで、順調に床下掃除が進んだように書いて来ましたが、実はそうではありません。
床下に潜れたのはダイニングキッチンと洗面所だけで、その他の部屋の床下には基礎コンクリートで仕切られていて移動することが出来ません。
通気孔(?)のような切り欠きはありますが、とても人が通ることは無理です。
そして覗いて見るとそこにも水たまりがあります。水たまりがあると湿気が多くなってカビが繁殖する可能性が大きくなりますので、この水たまりをなんとか出来ないか考えました。
結局、切り欠きから柄のついたモップを差し入れ、吸い取るしかないだろうと思い、ホームセンターへモップを買いに行きました。
そしてコメリで良い物を見つけました。「伸縮できるロングモップ」というもので、最大で280cmまで伸ばせます。
これを使い、ダイニングキッチンの床下からリビングの床下にモップを伸ばして水を吸い取り、ダイニングキッチンの床下にモップを戻して水を絞ってまたリビングの床下に入れる、という地道な作業を繰り返しました。
なお、和室の床下は畳をはがしても床板が釘で打ち付けられており、床に潜ることは出来ませんでしたが、床の間の畳とその下の板を外すと地面が見えるようになっていました。
開口部はとても人が潜れるような大きさではありませんので、這いつくばってこのロングモップを短い状態で差し入れ、それを伸ばして水を吸い取り、今度は縮めてモップを手前に引き寄せて絞る、という作業を繰り返しました。
この作業により、見える範囲では水は無くなりましたが、二間続きのもう一つの和室にはモップが届きません。
離れたところにある洋室にもモップの差し入れ口はありません。
それらについては床下換気口から扇風機で風を送り、乾燥させるしかありません。また、床下に潜れる場所には除湿器を置いてみたのですが、これが結構水が溜まりますので、除湿の効果はあるようです。
現在のところ、私がやれるのはこれだけです。
たったこれだけのことですが、意外に手間取り、まったくランニングの時間はありませんでした。まあ、時間があったとしても至る所に水害の痕跡がある街の中を走るのは気が引けてしまいます。
なので、しばらくの間は予定していた旅ランも控えようと思っています。
今後予定しているレースは、9/17の田沢湖マラソンと10/22の盛岡シティマラソンのいずれもフルですが、それまでの間にフルを走り切る状態に持っていけるのか心配です。