ある中高年ランナーの悪あが記

長引くハムストリングス付着部炎に悩まされながらも走ることを諦めきれない高齢者ランナーの奮闘記

私の抱えるランニング障害

 9月1日に発症したぎっくり腰は、今日で4日目になるのですが、なかなか良くなりません。歩行時の痛みはやや軽減したような気もしますが、腰を曲げたり、立ち上がったりするときに強い痛みが走ります。この分では、ランニング再開までにはまだしばらく時間がかかりそうです。

 しばらく走れないというと、2012年2月のいわきサンシャインマラソンのレース後に発症したぎっくり腰の時は、12日間走ることが出来ませんでした。

 この時は、東日本大震災からまだ1年も経っていなかったのですが、福島を応援したい、という気持ちで参加しました。(福島県では、震災後1年以内に3レース参加させてもらいました。)

 とはいうものの、まだまだ大変な時に来ていいのかという気持ちもありました。しかし、ここでも沿道の皆さんから、「来てくれてありがとう!」という暖かい声をもらい、ほっとしながら走ったものでした。

 そして、レース後に預けていたバッグを持とうとしたところ、いきなり例の「魔女の一撃」に襲われたのです。

 しばらく休んだのですが、翌日は仕事があるため今日中に帰宅しなければなりません。しかも、ここには自家用車を運転して来たので、ぎっくり腰の痛みに耐えて運転せざるを得ないのです。来る時は、高速道路を利用して所要時間は5時間くらいでしたので、まあ、夜の9時過ぎには家に着くものと思っていました。

 しかし、悪いことは続くもので、東北自動車道に入って間もなく、大雪のため東北自動車道が通行不能になったのです。やむなく高速を降りて国道4号線で帰ることにしたのですが、ほかの車も4号線に集中し、大雪とあいまって大渋滞となりました。

 のろのろ運転で進んだため燃費も悪く、ガソリンも不安になってきたのですが、このころは、確か東日本大震災の影響だったと思うのですが、日曜日に営業を休むガソリンスタンドが多く、しかも夜遅くになったため、なかなか営業中のガソリンスタンドが見つかりません。これでガス欠になったら完全にアウトです。下手をすれば凍死しかねません。

 あせること数時間でようやく営業中のガソリンスタンドが見つかりました。ほっとして、次に自分にも給油するため、コンビニで弁当を買いました。緊張の糸が少し切れたせいかぎっくり腰の痛みがさらに強くなりました。

 そうこうしてようやく家に着いたのが午前3時近くでした。かれこれ10時間近く運転していたのです。しかし、この後、仕事に行かなくてはなりません。3時間ほどの睡眠で仕事に行きました。

 私の住む秋田では「ずっても這っても」という方言があります。「ずっても」というのは、座ったままの状態で移動することです。当時、私はそんなに仕事人間ではありませんでしたが、マラソンを理由に仕事を休むことは、あってはならないことと思っていました。ですので、たとえぎっくり腰の痛みがひどくても、長時間の運転で疲れていても、睡眠不足であっても「ずっても這っても」仕事に行かなければならなかったのです。仮にこれがマラソン以外の時にぎっくり腰になった場合は休んでいたかもしれませんね。

 話が脱線してしまいましたが、私はしばらくの間ランニングが出来ず、お伝えすることもないので、今日は、私の身体が抱えるランニングの障害となるいくつかの問題点についてのお話をしたいと思います。お見苦しい写真も出てきますのでランニング障害について興味のある方以外はご覧にならない方が良いかもしれません。

左足外反母趾

 次の写真をご覧ください。汚い写真で恐縮です。

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 写真を見てお分かりのとおり私は左足だけが外反母趾になっています。外反母趾の原因はハイヒールなどのシューズにあるなどとよく言われますが、ランナーにおいては、過回内が大きな原因になっているようです。そのメカニズムについて詳しく解説している記事を見つけましたのでご紹介します。

日本人の知らない外反母趾の改善法 : RUNART ランナート足の治療院ブログ

  私の外反母趾は左足だけですが、次にお話する過回内も左足だけですので、このことからも両者に因果関係があるものと思われます。

 なお、外反母趾になっても私はランニングに大きな影響はありません。ただ、その出っ張りがシューズに当たり、擦れて痛みが生ずることがありますので、外反母趾の改善のため私は毎日、親指の付け根と小指の付け根を片手で握り、親指のみを逆の手で握って、ゆっくりと親指を外側に向けて伸ばすストレッチを30回行っています。

左足過回内

 過回内とは、歩行や走行で足を地面に着地させる際、足首が内側に倒れ込むことです。ジョギングやマラソンの着地では、足には体重の2~3倍の衝撃がかかるため人間の足には、足首をねじることによって衝撃を吸収するプロネーションと呼ばれる動きが備わっており、それが内側に過度に倒れ込むことを過回内と言うのです。

 次の写真をご覧ください。これは、2014年の別府大分マラソンのゴール付近ですが、左足が外側から着地しています。そしてこの後、内側へ重心が移り足首も内側へ倒れ込むことになります。

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 今度は、後ろから見た写真です。今年5月に秋田市内の陸上競技場で撮りました。

 まず、左足です。内くるぶしが内側に入り込み、そこからかなり斜めに下腿が伸びています。

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 次に右足です。こちらは内くるぶしの内側への入り込みはほとんど無く、そこからほぼ真っすぐ上に下腿が伸びています。

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 このように私の足は、左だけ足首が大きく内側に倒れ込んでおり、左足だけが過回内しているものと思われます。

 過回内が原因で起こる不都合な事象としては、先ほどの外反母趾や偏平足そしてそれに伴って足底腱膜炎も起こる可能性があります。確かに私は偏平足気味で足底腱膜炎も何年か前に発症しました。

 そこで私は過回内の矯正のためオーバープロネーション(過回内)用シューズとされているアシックスのゲルカヤノ25を昨年買いました。しかし、ゲルカヤノは、安定性を重視しているためか非常に重い。自分で量ってみたところ、26cmで299gありました。これで走ると重くて走りにくく、モチベーションが下がってしまうので、このシューズはウォーキング用にしました。

 それに代わる対策としては、シングルレッグ・スクワットを左右1分ずつ行うことを心掛けています。というのは、私は着地の時、若干ですが膝が内側に入り込んでしまうからです。

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 O脚気味の私ですが、それでも左膝が若干内側に来ていますね。この不安定な動きが、足首が内側に倒れ込む過回内につながっているものと思われますので、シングルレッグ・スクワットを行って筋力を強化し、着地時の安定性を確保して過回内を改善しようとするものです。

 まだ、特段の効果は現れていないようですが、走行時の身体のブレはエネルギーのロスにもなりますので、その防止のためにもシングルレッグ・スクワットを続けていきたいと思います。

弾発股

 弾発股って知っていますか?

 股関節の弾発は、腱および筋肉が股関節を構成する骨の上をスライドすることによって音が鳴る状態、と定義されているようです。そして弾発股は股関節の様々な部位に発生する可能性がありますが、好発するのは大腿筋膜張筋が大転子という大腿骨の出っ張っている部分を通過する「外側」です。

 腰が真っすぐな時は、大腿筋膜張筋は大転子の後ろにありますが、股関節を曲げると大腿筋膜張筋が大転子の上を移動し、大転子の前にくるようになります。大腿筋膜張筋は、引き伸ばされた輪ゴムのように常にきついのですが、大転子がわずかに突き出ているため、大腿筋膜張筋がそれを横切る時、バキッ・ゴリゴリという音や引っかかり感を引き起こします。

 そして私には数年前から弾発股(外側型)の症状があり、歩行時等に右大転子付近に引っかかり感があったのですが、痛みを感じることは、あまりありませんでした。

 ところが、今年(2020年)の2月上旬に突然、右大転子付近に痛みを発症し、歩行にも支障をきたすようになりました。この痛みの発生は、おそらく突然始めた腸腰筋強化のための負荷を掛けて股関節を大きく動かすトレーニングの強度と回数が過剰だったことから右大転子付近に炎症を起こしたためと思われました。

 この炎症の発生は、大腿筋膜張筋が大転子の上を通過する際に滑りをよくするための滑液包が、この通過する動作が繰り返されるうちに摩擦によるダメージを受けて炎症を起こす(※大転子滑液包炎)という機序により起こるものであり、大腿筋膜張筋が固いと炎症を起こしやすいことから、炎症の再発を防ぐためには大腿筋膜張筋の柔軟性を高めておく必要があります。そのため、大腿筋膜張筋のストレッチを行うこととしました。

 そしてそれに加えて、大転子を正しい位置に引き込み、骨盤の横幅を安定させるとされる深層外旋六筋を鍛えるため、ピラティスの「クラム」というエクササイズを左右100回行うようにしています。「クラム」のエクササイズの方法は次をご覧ください。

乙女の美脚筋エクササイズ①外旋六筋(クラム) | 美脚の真実~歪みを解消して美脚を作る方法

 クラムを実施してからは、大転子滑液包炎は発症していませんし、大転子付近の引っかかり感もいくぶん軽減したようです。でも、やはり坂道走などの負荷を掛けた練習の後にはまだ引っかかり感が出現します。

下肢静脈瘤

 また、見苦しい写真で恐縮です。

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 左足に血管が浮き出ているのが見えますか?これは、下肢静脈瘤と思われます。 

 静脈には、血液の逆流を防ぐ「弁」というものがありますが、これが何らかの理由で壊れてしまい、逆流した血液が静脈の中で停滞し静脈が膨れてしまうのが下肢静脈瘤です。膝の裏やふくらはぎの血管がこぶ状に浮き出たり、細い血管が青色や赤紫色に透けて見えたりするそうなのでおそらく間違いないでしょう。

 今のところ、このことによる不都合は何もないのですが、血液が心臓に戻らずに一部逆流しているということは、わずかながらもランニングのパフォーマンスに影響しているかもしれません。

 実は、私が所属する「秋田一ツ森RC」の先輩ランナー2人が下肢静脈瘤の手術をしていますが、日帰りで割と簡単にできたとのことでしたので、もう少し様子を見て、これ以上悪化するようであれば手術を考えようと思っているところです。

 以上、長々と私事を書いてしまって申し訳ありません。

 それにしても、私は今、ぎっくり腰で休養中ですが、そのような時に一か月前に発症し、最近はほぼ完治していた右の外くるぶし下の痛み(腓骨筋腱炎?)がまた痛み出しました。これまでも休養中に以前に痛めた箇所が突然痛くなることがたびたびありました。これって私だけでしょうか?まさに踏んだり蹴ったりです(泣)。