ある中高年ランナーの悪あが記

加齢に伴う衰えを感じつつ、それを受け入れたくない中高年ランナーの奮闘記

ランナーと貧血

 先月下旬、特定健診の結果が届きました。

 検査結果は、GOTが31と基準値を1だけ上回っていましたが、これはいつものことですので、あまり気にしていません。毎日欠かさずに晩酌をするのでやむを得ないでしょう。

 その他では、赤血球数が378(基準値410~530)、血色素量(ヘモグロビン)12.9(基準値14.0~18.0)と基準値を大幅に下回りました。明らかに貧血のようです。

 

 ランナーには貧血が多いとよく言われます。

 その理由は、①ランニングにより足の裏に強い衝撃を受けると溶血が起こる可能性があること②ランニングにより大量の汗をかいた場合、発汗により鉄分が流失すること、そして③レースなどの高負荷で長時間の運動を行うことにより筋肉への血液供給が著しく増大すると消化管への血液供給が不足して粘膜から出血することがあること、などが主な理由です。私もフルマラソンを走った後に血便が出たことがありました。

 これらは、医学的にも証明されており、また、ランナーと非ランナーとの比較でもランナーの方に貧血が多いとの研究結果もあるようです。

 そして今日は、私がランニングを始めて間もなくから現在までの血液検査のデータを比較して、同一人におけるランニングと貧血の関係を見てみたいと思います。

 次は、私の平成9年から令和2年までの赤血球数、血色素量(ヘモグロビン)それに平均赤血球容積の数値です。

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 貧血の判断材料となる赤血球数や血色素量は、平成9年と平成10年には、なんとか基準値内に収まっていたのですが、平成11年から昨年(令和2年)までは、ほとんど基準値を下回っています。

 私が走り始めたのは平成8年ですが、平成8年は練習量は極めて少なく、平成9年も年間走行距離が1,500km強と現在よりだいぶ少な目でした。また、平成10年は少し年間走行距離が伸びたのですが、それでも2,300km強と月間平均の走行距離としては200km以下です。

 しかし、赤血球数や血色素量が基準値を下回るようになった平成11年からは年間走行距離が次のように増えています。

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 もちろん、年間走行距離だけでランニングと貧血の因果関係を断定することは無理があり、検査前の一定期間のランニングの量や強度も勘案して判断すべきでしょうが、現在持ち合わせている資料だけでみると、私の場合もランニングが貧血に何かしらの影響を及ぼしている可能性は高いものと思われます。

 

 長距離のランニング時(有酸素運動)に必要とされるエネルギーは骨格筋内のミトコンドリアで産生されるのですが、そのためには酸素が必要です。式に示すと次のようになります。 

糖質・脂質 + 酸素 → 二酸化炭素 + 水 + エネルギー(ATP

 つまり、長距離のランニング時には、骨格筋に届く酸素が少ないと産生されるエネルギーが少なく、速く走れないことになります。

 ところが、貧血というのは血液中の血色素量(ヘモグロビン)が少ない状態を言い、ヘモグロビンは酸素を含んだ血液を筋肉中のミオグロビンに運ぶ役割を担っていますので、貧血であるとエネルギー産生が少なくなる、つまり速く走れなくなってしまいます。

 速く走りたくて一生懸命に練習を重ねても、それが逆に速く走れなくなる原因をつくってしまう危険性があるとは、皮肉なものですね。

 ただ、ご承知のとおり、貧血には鉄欠乏性貧血が多く、体内の鉄分が不足している状態なので、食事で鉄分を多く含む食品を摂取する等により改善される場合があるとされています。もちろん、状態がひどい場合には、医療機関を受診することも必要でしょう。

 

 ところで、先ほどの検査値の表をもう一度ご覧いただくと、私の平均赤血球容積(MCV)は、令和元年の検診時を除き最初からずっと基準値を超えています。

 実は、私はこの平均赤血球容積の数値が高いので、3年程前まで、10年近く血液内科を受診していました。

 平均赤血球容積とは、1個あたりの赤血球の大きさを示すのですが、この平均赤血球容積が大きい場合は、まれに骨髄異形成症候群という骨髄系細胞に由来する悪性腫瘍が起因することがあります。私は、半年に1回検査を受け、血液の顕微鏡検査をしてもらっていましたが、幸い、骨髄異形成症候群ではありませんでした。

 そして、受診時には一般的な血液検査も行うのですが、鉄欠乏性貧血の際に不足するフェリチンは不足していませんでした。ということは、鉄欠乏性貧血ではないようです。

 ところが私には葉酸が不足していました。それに加えて平均赤血球容積が大きく、骨髄異形成症候群ではないとすれば、巨赤芽球性貧血が疑われることになります。

 この場合、治療法は葉酸を補充することですが、受診時には特に薬は処方されませんでした。この程度であれば、治療の必要はないものと判断されたのでしょう。

 ただ、私はマラソンという十分な酸素供給が非常に重要な競技を行っていますので、そのためには葉酸の補充が必要となります。

 受診中は、検査数値に影響を与えてはいけないと思い、あまり積極的に葉酸の補充は行っていませんでしたが、現在は受診していませんし、昨年10月の検査数値では、近年になく貧血が悪化していますので、これからは葉酸サプリメントをもっと積極的に摂取したいと思っています。

 これで、マラソンのタイムが良くなれば御の字なのですが・・・。